私たちPilz株式会社はサスティナブルな産業形成を目指しています。
100%の秋田県産材、豊かな自然と地下水のおかげで、弊社では美味しい椎茸(鱗花)を通年収穫しております。
収穫が終わった菌床ブロックはやがて「廃菌床」という産業廃棄物になるのですが、横手市全体でその数はなんと年間350万個にものぼり、処理にかかる費用も莫大なものになっています。
そこで、弊社では廃菌床を加工して「カブトムシ」の幼虫の餌「Kマット」を製造することで、資源循環を目指しています。
世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」を筆頭に、様々な種類のカブトムシ、クワガタムシを飼育しており、その数は約1万頭ほど。
ゴミが幼虫の餌になり、カブトムシという副産物を産み出すのです。
さらに、循環はつながります。幼虫の成長過程においてそのフンが排出されるのですが、今度はそれを使用した野菜生産にも取り組んでいます。
「ヘラクレスほうれん草」です。
無肥料時と比べ、昆虫由来の有機肥料を利用した場合、当社比で発芽率の向上、葉の厚みの増加、葉の大きさの増加、緑の濃さの増加、収量の2割程の増加が見られました。
秋田県立大学でのフンの成分分析では、家畜フンに比べて、チッ素、リン酸、カルシウム、マグネシウム濃度が高く、肥料効果が期待できる結果が得られました。
大曲農業高校にも試験栽培を依頼しており、様々な野菜への活用法が期待されます。
環境に配慮した、循環型野菜ブランド「ヘラクレスベジタブル」
ヘラクレスベジタブルのほうれん草→ヘラクレスほうれん草です。
この有機肥料を使って収穫された野菜・果物には「ヘラクレスベジタブル・認定シール」を貼り、差別化を図っております。
認定シールロゴは、秋田県内全ての小学校、中学校、高校を対象に学生から募集し、秋田県教育長ホールにて、安田教育長のご協力の元、記者発表させていただきました。
秋田県発、全国で唯一の野菜ブランド。その循環の取り組みや、持続可能な社会を目指すきっかけを考えてもらいたく、教育県でもある秋田県の学生達に協力を求め、ヘラクレスベジタブルのロゴマークを決定しました。
ヘラクレスオオカブトや、Kマットは既に横手市のふるさと納税返礼品に認定されております。
ヘラクレスベジタブルも今後、循環型の取り組みとして、発信していきます。
産官学の連携により、地方から持続可能な社会のあり方を発信し続けていく先には、世界が目指すべき、新しい価値観が生まれてくるではないかと期待しております。

2021年の試験栽培の様子。品質が向上し、生産量も増加。

ヘラクレスオオカブトの幼虫のフン。
匂いもベタつきもなく、扱いやすい。